はじめに
「自宅に高級感を出したい」と思っていても、具体的に何から手を付ければいいかわからない、という人は少なくありません。高級感とは、決して「高価な家具を揃える」ことではなく、「上質さと洗練された雰囲気」を空間に演出すること。つまり、限られた予算の中でも、選び方や組み合わせ方ひとつで上質な空間は実現できるのです。
本記事では、インテリアのプロも実践する「高級感の出し方」を、色、素材、家具、照明、収納、アートなどの視点から徹底的に解説。誰でも取り入れられる実践的なアイデアをお届けします。
1. 高級感とは何か?
“価格”ではなく“質感と統一感”
まずは「高級感」の定義を明確にしておきましょう。
高級感とは、以下のような要素が複合的にそろっている状態を指します
• 素材や質感が上質
• 空間に統一感がある
• 余白があり、ゆとりが感じられる
• 照明や色づかいに計算がある
• ディテールまで丁寧に整っている
つまり、ブランドや値段ではなく、“丁寧に整えられた空間”が人に「高級そう」と感じさせるのです。
2. 色で演出する「上質な雰囲気」
高級感を引き出す色の基本
高級感のある空間に共通して使われている色は、以下のようなものです。
■ ニュートラルカラー
• ホワイト(純白ではなくオフホワイト、アイボリー)
• グレー(ライトグレーからチャコールグレーまで)
• ベージュ(ウォームベージュ、サンドベージュ)
これらの色はどれも主張が強くなく、他の要素との調和が取りやすい色です。
■ アクセントカラー
• ネイビー:深みがあり、モダンな印象に
• ボルドー:上品でクラシカル
• ダークグリーン:重厚感と落ち着きを演出
• ゴールド・シルバー:光沢を取り入れたいときに効果的
色数は3色までが基本
高級感を出すためには、使う色は「ベースカラー・サブカラー・アクセントカラー」の3色までに絞るのが基本です。色が多すぎると雑多な印象になり、落ち着きや上質さが損なわれます。
3. 素材選びが“安っぽさ”を左右する
高級感を決定づけるもう一つの重要なポイントが「素材」です。同じような形状のアイテムでも、素材によって印象は大きく変わります。
高級感を演出できる素材
• 天然木(無垢材):合板とは違い、手触りと質感に圧倒的な違いが出る
• ガラス(厚みのあるもの):透明感と洗練された印象を演出
• 大理石・御影石調:本物の石は高価だが、柄を取り入れるだけでも高級感は出る
• ファブリック(ベルベット・リネン・ウール):質感のある生地で空間が引き締まる
• 金属(マットブラック、ブロンズ、真鍮):取っ手や脚部にさりげなく使うと品格がアップ
避けたい素材
• 薄くて光沢のあるプラスチック
• 安っぽいプリント柄の化粧板
• ペラペラのポリエステル布地(光を反射しすぎるもの)
素材を厳選することで、「見た目」「触れたとき」「使ったとき」の質感すべてで上質さが伝わります。
4. 家具選びと配置で“ホテルライク”に近づける
家具の選び方
• シンプルで重厚感のあるデザインを選ぶ
• 無理に数を増やさず、ひとつひとつの家具の存在感を高める
• 脚付き家具は空間に抜けを生み、軽やかさと高級感を両立
• 収納力のある家具で生活感を隠す
家具の配置のポイント
• 家具同士の間隔は50〜60cm以上空けて「ゆとり」を演出
• ソファは壁から少し離すことで「浮いている」印象に
• コーヒーテーブルやチェストはセンターラインを意識して配置
高級ホテルやモデルルームのように、動線と視線の抜けを意識した配置が洗練された印象を作ります。
5. 照明で「陰影と演出」を加える
高級空間に共通する照明の特徴
• 複数の照明を使い分ける(シーリングだけに頼らない)
• 電球色(2700K前後)で温かみを持たせる
• 間接照明やスポットライトで「陰影」を演出する
実例:リビングの照明演出
• 天井にはダウンライトやシャンデリア
• テレビ台やサイドボードに間接照明を設置
• テーブルランプで部屋に高さとリズムを加える
高級感を出す空間では「明るさ」よりも「雰囲気」が重視されます。光の演出が空間に奥行きとドラマを生むのです。
6. アートと雑貨で「余白の美」を演出
アートの飾り方
• 抽象画やモノトーンアートは高級インテリアと好相性
• 大きなアートを1枚だけ飾ることで空間が引き締まる
• フレームは細く、色は黒・金・木目などで統一
雑貨選びのポイント
• 数を絞り「魅せるアイテム」だけにする
• 高級感を出すならガラスやセラミック、金属素材のものを
• 本やフレグランスなど「ライフスタイルの余裕」を感じさせるアイテムを配置
高級感のある空間では“余白”こそがラグジュアリー。あれもこれも置かず、選び抜いたアイテムで空間に呼吸を持たせましょう。
7. カーテン・ラグ・クッションの質感で格上げ
カーテン
• 天井から床まで垂れるフルレングスのカーテンが理想
• 素材はリネン混、厚手のツイル、ベルベットなど
• プリーツが美しく出るよう、幅に余裕を持たせてオーダーするのが理想
ラグ
• ソファの下にラグを敷くことで「空間をゾーニング」し、高級ホテルのような印象に
• サイズは家具全体をカバーできる大きめを選ぶ
• ウール・シルク混のラグは質感も肌触りも一級品
クッション
• 色や素材を変えた3〜5個を組み合わせると見栄えがアップ
• ベルベットやレザー調など、手触りと光沢のある生地が◎
こうしたファブリック類こそ、手軽に高級感を演出できる要素。面積が大きいため、印象を大きく左右します。
8. 実例紹介
8畳ワンルームでも叶えた「高級感のある暮らし」
都内在住の20代女性・Aさんは、8畳のワンルームをホテルライクな空間に仕上げた事例です。
工夫したポイント
• 壁は白、家具はグレー×ブラックで統一
• ニトリやIKEAで揃えたアイテムも、素材と組み合わせで上質に
• ラグはウール調の大判、カーテンは天井付け
• クッションは黒・ゴールド・ベージュの異素材ミックス
• ダイソーのフレームにポスターを入れて、モノトーンアートを自作
「高級家具は買えなくても、質感と色の統一で“高く見える部屋”は作れる」とAさん。必要なのはセンスよりも“選び抜く意識”なのかもしれません。
まとめ
高級感は「美意識の積み重ね」
高級感は、価格に比例するものではありません。むしろ、細部への気配りと“整える意識”こそが、洗練された空間づくりの鍵です。
今日から実践できる5つのポイント
1. 色は3色までに絞る(ニュートラル+アクセント)
2. 素材にこだわり、光沢や手触りのあるものを選ぶ
3. 家具は「ゆとり」と「余白」を意識して配置
4. 照明を変えて、陰影とムードを演出
5. アートや雑貨、ファブリックで仕上げる
こうした積み重ねによって、自宅が“日常の中の非日常”に変わっていきます。
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